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GRADUATION PROJECT, Tokyo, Japan, 2015

つねに各々の現実感から
離れ変容し続ける現実と、
波にながされるなかの自己表現

プレゼンテーションより -
私はファッションと宗教はどこか似ていて、自己に意識を向ける鏡のようなきっかけをことばで与えられ ることもあれば、空間によって与えられることもあると感じている。 ファッションに関心をもった人たちにとってのそのような場所を作れないだろうか?
竹下通り。中高生を客として賑わせながら、コスプレやペアルックなどに始まる特別な装いを発信する人 たちを賑わいの中に混じらせている。 自己表現者の彼らと驚きに思わず観客の立場になる通行客とがすれ違う、幅4.5mの道。 その店並のちょうど中間地点で大盛況のクレープ屋の角を曲がると現れる、森の入り口。 都市に点在する、何十年も建築をせずに保持され続けた森。というわけにもいかず、マンションなどの他 用途へ変換され敷地を縮小され続けている、東郷神社。
私はここで竹下通りの賑わいと、神社との関係を設計したいと思う。
今年の春、カトリックの教会建築を訪れて、 教会内のゆらぎようのないような緊張感のある空間と、遠く天蓋の脇からこぼれる太陽のかげりの変化と の対比に、何か内省的に思考を巡らせるきっかけを与えられたことが印象に残っている。 人対人の距離感を操作する、空間をつくる手法として教会建築を参考にしてみたいと思った。
双方は土曜日曜になると、かたや流れるような結婚式ラッシュ、かたやこのときを待ってたかのように主 張的な装いの人々とその環境を楽しみに来た観光客、中高生でにぎわう。 週末に対しては、結婚式と竹下通りを視線的に関係させるような設計をしたい。 結婚式が竹下通りからの舞台となったり、竹下通りの人々が結婚式のための借景となったり。 互いの人々が発信し合う、膨大なコミュニケーションの場になりえると思う。